オオナムヂの日記

30代の新米パパ、職業はシステムエンジニア。好きなこと(旅行/IT/日本史/ゲーム/読書/投資)についていろいろ綴っていきます。

【PM試験】プロジェクトマネージャ試験 合格体験記【合格メソッド】

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どーも、オオナムヂです。

私事ですが、2018年はプロジェクトマネージャ、ITサービスマネージャの2つの資格を取得することができました。

どちらも2年がかりでの合格となりましたが、しっかりやれば1年での合格も可能だったと思います。

これから合格を目指す人向けに、少しでも参考になればと思い、私個人の勉強体験記を書いていこうと思います。

なぜプロジェクトマネージャを勉強するのか

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まずこの資格を受けようと思った動機から書いていきます。
オオナムヂのスペックとしては以下のような感じです。

・文系大学卒のユーザ系SEに所属する30歳過ぎ
・日々の業務の大半は運用・保守だが、小規模改善案件のPMも担当
・運用・保守のチームリーダーの立場となり、直属の部下は10名ほど
・改善案件PM経験は1,000万規模の案件まで
・応用情報技術者試験は20代後半に合格
・資格取得による昇給は特にない

このような状況でした。
PM資格を取得しようと思った直接の動機は、マネジメントを学んでない人にマネジメントされたくないという、先輩層の対しての不満が日頃からあり、自分が部下を持つ立場になることで自分の部下にはそのような経験をさせたくない、という思いがあったからです。

特に資格を取ったからといって給料が上がるわけでも、一時的な奨励金が支給されるわけでもありません。 声だけ大きい老害というのは、どこに組織にも少なからずいると思いますが、彼らに対する反発がプロジェクトマネージャを勉強する直接の動機となりました。

なのでプロジェクトマネジメントを勉強しようと思っている方、勉強している方は基本的に私にとってはリスペクト対象です。

マネジメントを勉強することは自分自身の仕事のためだけはなく、自分が所属するチームメンバーのためにもなるからです。

マネジメントの勉強はPMに合格したから終了するわけではありません。そのことはPMに合格するだけの知識を持った今、痛いほどよくわかります。

業務上直面するシチュエーションはそれぞれに独自性があり、一つ一つに対してうまくいく可能性の高い行動を選択する必要があります。ステークホルダーとの関係、納期・品質の兼ね合い、要員調達の問題、それらを総合的に判断して社内外の関係者を納得させたうえでプロジェクトの運営をする必要があります。答えがあるのかもわからない、とても難しい作業となりますが、それに指針を与えてくれるのがPMBOKとなります。

プロジェクトマネージャの試験勉強は、PMBOKの一端を知る意味合いとなります。

全貌を知るには机上の学習だけでなく、実際の業務において反復実践する必要があると思うため、むしろ合格してからが始まりといったところでしょうか。

このブログを読んで頂いた皆さんには、是非そのような心構えで勉強を進めていってほしいと思います。声だけ大きい老害が一人でも減る世の中になれば、これ幸いでございます。

プロジェクトマネージャ試験勉強法

さて本題に入っていきましょう。
高度情報処理試験は、午前Ⅰ午前Ⅱ、午後Ⅰ午後Ⅱで構成されますのでそれぞれについての勉強法を書いていきます。

午前Ⅰ勉強法

午前Ⅰは、応用情報試験からいくつかピックアップして出題されます。
私の場合は、2年がかりだったので2年目は免除になりましたが1年目はしっかり勉強し直していきました。

応用情報技術者試験に合格している人は、以下のサイトで過去問を解きまくるだけでよいと思います。

www.ap-siken.com

応用情報技術者試験に合格していない人は、対策本を買って勉強したほうが良いですね。

午前Ⅱ勉強法

午前Ⅱは応用情報技術者試験からPMにかかわる問題だけが出題されます。

こちらについては、以下のサイトで過去問を解くだけでよいです。
このサイトにはPM試験だけでなく、SM試験の際にも大変お世話になりました。

情報処理技術者試験の勉強をやり直し −ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者、応用情報技術者、情報処理安全確保支援士・高度試験の過去問題の解説−

具体的には3年分解いたら十分かと思いますが、不安であっても過去5年分を解けばOKです。

ちなみに午前Ⅰ午前Ⅱの勉強時間なんて、総勉強時間の5%くらいの感覚です。
2年がかりだったので、2年目は午前Ⅱだけになったんですが、その際は試験前日に見返したくらいです。

午後Ⅰ勉強法

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来ました、午後Ⅰ。 私の場合は以下の参考書で勉強しました。

まずはバイブル。通称みよちゃん本。
これなしにPM合格はあり得ません。
おそらく全受験者の大半が持っているんじゃないでしょうか。

続いて、ポケットスタディ。
要約だけおさらいしたいときにお勧めです。

私はこの2冊で合格しました。

基本はみよちゃん本での学習して、通勤の電車の中でポケットスタディで復習、といった感じでした。

さてさて、午後Ⅰは長文読解の問題となります。
私は勉強を始めたころ、ただの長文読解じゃん、と思いました。
実務経験を10年弱積んでいたので、その感覚ですらすら解けてしまうような感じです。
おそらく実務経験がなくても、国語ができればある程度は解けるような感じかと思います。

ただ難しい点としては、設問で聞かれているレベルがどのレベルまでかよくわからない、といった点があります。
模範解答を見ると、「え?そのレベルの回答でいいの?」というのがよくあるので、これは過去問を繰り返して、回答の感覚を掴むしかありません。

また出題される内容は、予測しないで(山を張らないで)望みました。 業務に直結する分野としては進捗管理やリスク管理、品質管理になるので、そこらへんは重点的に勉強しましたが 調達管理やコミュニケーション管理などもまんべんなく勉強し、どのジャンルが出題されてもある程度戦える状態にしておきました。

まーごちゃごちゃ書いてますが、要するにみよちゃん本を端から端まで一通り読む、ということが一番の近道になります。

午後Ⅱ勉強法

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はい、来ました。最後の難関、午後Ⅱ。

1年目のチャレンジでは、午後Ⅰまで合格基準を突破し、午後ⅡでB判定となり不合格となりました。 午後Ⅱを通過する上での最重要となる点を記載します。

午後Ⅱ突破の最重要ポイント

聞かれたことに答える。

当たり前ですがこれにつきます。これが一体どういうことか。すっごい簡単な例を記載します。

設問 東京から京都に行くためには、車・新幹線・飛行機などの手段が考えられ、予算や時間的な制約から最適な手段を選ぶ必要がある。 あなたが東京から京都に行った時に、選択した手段を、その時の制約状況を交えて述べよ。

Point あなたが東京から京都に行った経験があるかどうかに関係なく聞いてきます。 つまり実体験を聞いているのではありません。このような状況になった時にどうやって判断して行動しますか、ということを聞かれています。(当然その裏にはPMBOKの知識体系があり、それらを理解しているかが問われています。)必然的に回答は作り話になります。

良い回答例 私は旅行で東京から京都に行った。その時は全体的な旅行の予算が○○万円あり、内訳は宿泊費△△円・・・であり、移動の交通費にかけられる予算は□□円であった。また時間的に片道3時間以内で到着したかったため、両方満たせる新幹線を選択した。

これは聞かれている予算や時間的な制約を交えて答えられているので、合格水準となります。

悪い回答例 私は旅行で東京から京都に行った。とにかく時間だけは有り余っていたので、一番安い夜行バスを選択した。

この例は文章自体に論理矛盾はありませんが聞かれたことに答えられていないので、不合格となります。時間の制約がないことは書けていますが予算的な制約が述べられていません。

すっごい簡単に書くと、聞かれたことに答えるのはこんなイメージとなります。
実際の問題は、以下のような感じです。(2017年4月、問1の問題 )

問1 システム開発プロジェクトにおける信頼関係の構築・維持について

 プロジェクトマネージャ(PM)には、ステークホルダとの信頼関係を構築し、維持することによってプロジェクトを円滑に遂行し、プロジェクト目標を達成することが求められる。

 たとえば、プロジェクトが山場に近づくにつれ、現場では解決を迫られる問題が山積みし、プロジェクトメンバの負荷も増えていく。時間的なプレッシャーの中で、必要に応じてステークホルダの協力を得ながら問題を解決しなければならない状況になる。このような状況を乗り切るには、問題を解決する能力や知識などに加え、ステークホルダとの信頼関係が重要となる。信頼関係が損なわれていると、問題解決に向けて積極的に協力し合うことが難しくなり、迅速な問題解決ができない事態となる。

 PMは、このような事態に陥らないように、ステークホルダとの信頼関係を構築しておくことが重要であり、このため、行動面、コミュニケーション面、情報共有面など、様々な切り口での取り組みが必要となる。また、構築した信頼関係を維持していく取組みも大切である。

 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア~ウに従って論述せよ。

設問ア:あなたが携わったシステム開発プロジェクトにおけるプロジェクトの特徴、信頼関係を構築したステークホルダ、及びステークホルダとの信頼関係の構築が重要と考えた理由について、800字以内で述べよ。

設問イ:設問アで述べたステークホルダとの信頼関係を構築するための取組み、及び信頼関係を維持していくための取組みはそれぞれどのようなものであったか。工夫した点も含めて、800字以上1600字以内で具体的に述べよ。

設問ウ:設問アで述べたプロジェクトにおいて、ステークホルダとの信頼関係が解決に貢献した問題、その解決において信頼関係が果たした役割、及び今後に向けての改善が> 必要と考えた点について、600字以上1200字以内で具体的に述べよ。

なかなか難しいでしょう(笑)

これは訓練するしかありません。一つ一つ聞かれていることに対して、組み立てていって、全体的に矛盾が無いように調整する。

午後Ⅱの試験時間は120分あるんですが、私の場合、最初の45分を回答の組み立てに使い、残り75分で書き上げる作戦で臨みましたが、実際回答の組み立てに55分くらいを要し、65分くらいで一気に2,200字を書きあげました。時間ギリギリ、終わった後は右腕が疲れてプルプルする感じです(笑)

午後Ⅱ最初の組み立てが重要なので、それを是非みよちゃん本で学ぶことをお勧めします(笑) 重要なのは、何度も書いている通り、聞かれたことに答えることです。

終わりに

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いかがでしたでしょうか。
とりあえず難関の午後Ⅱについては、回答の組み立て方を訓練するに尽きると思います。

午後Ⅱがどうしても無理!という方は結構多いのではないかと思っていますが、IPAの統計によると午後Ⅰまで合格したら、午後Ⅱの合格率は50%程となります。
午後Ⅰまで合格できる知識があれば午後Ⅱはそれほど難関ではないということなので、諦めずに「聞かれたことに答える」を意識して取り組めばきっと合格できます。

冒頭にも書いた通り、PM試験の合格・不合格に関わらずマネジメントを学ぶこと自体に価値があるものと考えています。

またPM試験の合格をもって、勉強に終止符を打つものではないものと考えています。

皆さん一人一人がマネジメントスキルを高めて、少しでも楽に、気持ちよく仕事ができるようになればこれ幸いでございます。